サウンドデモ行ってきた

矛盾したり、推敲が足りなかったりしそうないくつもの主張が蠢きながら濁流のように新大久保から新宿駅前まで続いていた。結局参加者は1000人以上になったという。出発時は550人と言ってて、最終的には倍くらいの人数になっていたからだいたいそれくらいの人数だったとしても頷ける。新宿の大通を物々しい恰好をした警察に囲まれた異形の集団が長い列を作って進んでいく様を、その中から垣間見ることができたのは刺激的な体験だった。
音楽は、テクノ系が相性が良かったように思った(DJの好みかも知れないけど・全然よくない選曲のDJもいた)。列が長すぎて半分より前に行かないと音がよく聞こえなかったんだけど、高架下に入って音が反響しているときとかは、たいていのクラブよりも盛り上がってたんじゃないだろうか。常時歩いているせいで、退屈な曲がかかっているときも運動量が落ちないし。というわけで音楽的にはとても楽しかった。
フリーターの現状についてはよくわからなかった。でも、反天皇制とか、反戦団体などが今回から合流しているらしく、いよいよデモの趣旨が理論的に不明確になり、しかしたぶんそれゆえに、異様な熱気を帯びていたんじゃないかと思う。デモの列の内側から眺めた、沿道のギャラリーたちは、思ったよりも騒音に苛立っておらず、むしろ面白いものを見る目をしていたと思う。あくまで印象だけれど、これは悪くないんじゃないかな。
どういう気持ちだったのかは全然わからないのだけれど、新大久保で、古い二階建ての建物の二階の窓を開けてデモを眺めていた、不健康そうな老人の表情が強く心に残った。