国と文化について

ヴィジュアル系ナショナリズムの関係について、かつてYOSHIKIとか君が代歌うボーカリストとかいろいろ話題になってたことがあったんだけど、仮面性とナショナリズムの関係とかこれもいろいろ指摘しうるんだけども、そもそもまずは「国」とか「その国特有の文化」があるっていう簡潔すぎる前提で話をすると、文化の多様性も著しく損なわれてしまう。まして20世紀後半にはファシズムもあったし三島もいたわけだし、経済的にも文化的にもグローバリゼーションがあったわけで。そういう背景があるところで、日本がとか英国がとかを文化について言い出すのは、かなり雑な話だと思う。それこそヴィジュアル系ってのはヤンキーのDQN文化に深い根があるわけなんで、雑に話して悪いわけはないんだけども、どうせ雑なら、いろんな枝葉くっつけてモジャモジャにしてったほうが面白いんじゃないだろうかと。
んで今回くっつけたい枝葉はコレ。
http://blog.yomone.jp/kayano/2007/01/post_6f6b.html
カネと暴力の系譜学 (シリーズ・道徳の系譜)』『『国家とはなにか』』の萱野稔人氏のブログ(?)。経済と社会学的な見地からの国と国境と暴力の話。

グローバリゼーションとはだから、これまで少なくとも先進国のなかでは一致していた、領土をめぐる二つの枠組み――「排他的領土性」と「国家領土」――を分離していくようなプロセスである、と考えることができる。国家が領土に対してもつ関係はけっして単一ではない。

グローバリゼーションなんてもともと英語なわけで、文化的グローバリゼーションも英語圏の影響力の拡大と深化の過程だと言えなくはない。ヴィジュアル系もロックも、広い意味ではグローバリゼーションの一段階・一分野なんだと。日本の首相がエックスを好きだって言ったりするのなんか、だから全然おかしいとは思わない。ついでだけど敬愛するid:FUKAMACHIさんの「アニメビデオクリップ大全』で米国産メタルバンドのアニメを使ったPVに小泉が描かれているところを指して

イラク戦争のメタファーなのだろうがプーチンがやけにバカ面しているのに、我らがコイズミたんの顔がやけに二枚目なのが謎。

って書いていらっしゃるんだけど、アメリカのアニメ好き=ジャパニメーション好き=クールジャパンが好き=神秘的な言動の毅然とした小泉カコヨスってなってる可能性はないんだろうか。外人のクールジャパン好きに出くわすと、普通に邦人で外国大好き人間に出くわしたときのような苛立ちが、普通の嬉しさにまざって変な気持ちになるんですが。