InterCommunicationの音楽とメディア特集で、廣瀬純氏による、ペーター・サンディとのメール対談の翻訳の冒頭が訳出されている。ウォークマンサウンドトラックにまつわるものでありながら、リンチ作品にも言及しており、また「聴くこと」の幽霊性とか哲学との関わりについて語られていた。それよりも、邦訳のない(私の知る限りではということだが)サンディ氏の簡単な著作案内にもなっていて、これはチェックしなければならない。また、(私の印象ではということだが)最近はもっぱら現代美術のリヒター論や写真論を書かれていた清水穣氏の久しぶりのシュトックハウゼン論、それも超高速(かつ奇怪なw)のゲンダイ音楽概論から「悪名高い」ヘリコプター四重奏の改題まで、超絶にスリリングな渾身の傑作小論と言わざるを得ない内容だった。この号は買わずには済ませられない。ちなみに増田聡氏の「ミク」論も載っているので、これも読まなければならないだろう。
http://www.ntticc.or.jp/About/Publication/Icm/no64_j.html