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精神分析とアート

「サイバースペース〜」でも書かれていたのだけれど、ベンヤミンの「複製技術時代における芸術作品」という論考において「視覚的無意識」という概念が、ラカンの鏡像段階論やコンピュータの基礎理論となるチューリングの論考と同時に登場したことは興味深い…

サイバースペース〜をようやく読了

現在のメディア論的状況の前提を了解するのには非常に重要な論考だと思われるんだけど、どうしてこんなにもマイナー扱いなんだろうか。非常に不思議。もっとも、非常に速足での展開なので各所で原書にあたって諸々批判する必要はあるだろうと思われる。いわ…

トランスクリティークとポストモダン

http://d.hatena.ne.jp/innhatrang/20080426 ↑を読んだ。 柄谷行人論といえばロスジェネ論壇の中心的人物としても知られる大澤信亮氏による論考がこないだの新潮11月号に掲載されていたけれど、そっちもちゃんと読めていない。今年は東浩紀の総決算・再出発…

二次元美少女論

井上淳也の登場である。彼はゲーセン系美少女の最高峰・美作いろり(『エスプレイド』、1998)や、後の自身の作品にも昇華された柊小雨(『ぐわんげ』、1999)を生み出すなど、重要な仕事をした。 (中略)井上がアーケードゲームという分野で表現した美少女…

ルディネスコ&カプニスト『ジグムント・フロイト 精神分析の創出』(Elisabeth Roudinesco et Elisabeth Kapnist, Sigmund Freud. L’invention de la psychanalyse, 1997)2.sm659097 3.sm660156 フランスのテレビ局Arteで放送されたようです。カプニストは…

日本精神分析再考

http://d.hatena.ne.jp/sasaki_makoto/20081114 ↑で知ったのですが、柄谷行人の『日本精神分析』をテーマにしたシンポジウムが日本ラカン協会第8回大会で開催される模様です。詳細は以下のとおり。 午後2時〜5時30分〈 日本精神分析をめぐって 〉提題者 : …

ゼロアカ動画について

最近ゼロアカが気になっている。id:naoya_fujita氏がニコニコ動画にアップしているらしい動画の音声を音声キャプチャ*1してiPodで聴いているからだ。知人から「あの動画は面白い。色々と問題もあるし個人的に言いたいことはあるがまずは観てみろ」と言われ動…

『二次元美少女論』読んでます

アイドルに触れた箇所が面白かったので引用。 このような芸能界とアイドルとエロス、という視点を押し進めて作られたエロゲーの到達点に『WHITE ALBUM』(1998)が存在する。このゲームでは、最初から、ゲームのプレイヤーに尽くしてくれるやさしい彼女・森…

中央公論に掲載されている東浩紀のインタビュー読んだ

ら、なんか上記で書いてたことと似たようなことを本人が言っていた。いちおうメモまで。あと新潮に掲載されている小説「ファントム、クォンタム」の2話目も読んだ。佐藤友哉を最初に「ファウスト」で読んで以来の同時代的な感慨があった。小説家としての東…

追記

↑で書こうと思ってて忘れてたので補遺。つまり、東は自分が哲学を勉強していた関係で「ゲンダイ思想から現代日本を見てしまう」のに対して、宇野はそういった東の出自からはある程度は距離をとって批評を行うことができていることを評価しているのではないだ…

東浩紀

『サイバースペースはなぜそう呼ばれるか』再読中 今日は2-6を読んだ。いよいよ『存在論的、郵便的』と『動物化するポストモダン』との接合点としての「サイバースペース」論が展開されていく。 要約するとれば ジョナサン・クレーリー『観察者の系譜』を頼…

『サイバースペースはなぜそう呼ばれるか』再読中。

2-5まで読了。2001年の『動物化するポストモダン』における「データベース」とシミュラークルの二層構造のイメージと、1998年の『存在論的、郵便的』で議論されたデリダのメディア論的・精神分析的な認識論とを繋ぐような内容かといよいよ思われてくる。「思…

チンポムの件、追記

グラフィティとの関連について論じられている方がいらっしゃいました。 http://d.hatena.ne.jp/note304/20081101/1225557131 実は以前に別の方(id:c_a_nagaoka氏)とチンポムについて意見交換した際に、グラフィティ・アートについても話題に上りました。私…

黒い花火、文字、批評、思い遣り、悪意

Chim↑Pom*1の事件から数日が経過した。その後、広島では中国人アーティストの蔡國強による「黒い花火」がパフォーマンスされた*2ことに関連して、いくつかのブログで述べられてきたことを読んでみた。 とりわけ参考になったご意見は以下の二つ(「昆虫亀」の…

洋書で

こんなのも出るらしい。ラカンにおけるデリダからの影響を論じたものの模様。 http://www.fordhampress.com/detail.html?session=b40b00fefe981aa56d5f818036a4ce3e&cat=&id=9780823228751

『精神分析の抵抗』より

そしてだからこそ、1971年の『ポジシオン』の中で、つまり「真実の配達人」を発表するよりも4年も前に、私はこのことを述べておいたのだし、先ほどマジョールもこのことを想起させてくれたが、ラカンに対する私の理論的「対決=闡明」は、「みずからの仕事を…

美術評論について

最近「RH」(レビューハウス)の第一号を読んでいる。林道郎氏の巻末のコンセプチュアル・アートについての文章と、木村覚のチンポム評が興味深く読めた。林氏の文章は、コンセプチュアル・アートについての日本語での言説が少ない状況では非常に貴重だと思…

東浩紀「サイバースペースはなぜそう呼ばれるか」読み途中

あいだが開いてしまったが。今回は2−3についてメモ。 ディックの作品について ・オブジェクトレベルとメタレベルの反転あるいは入れ子構造を、小説全体のフレームとして採用 ・交替=後退の前提となるそれら「レベル」の統一性自体を蝕む「不気味なもの」…

英語圏のアニメ関連の質問と回答を紹介しているサイトで

英語圏でANIMEをもっと学術的に論ずる動きがないのはなぜ という質問が出されていて、それの回答に上がっていた雑誌名をググってみたら、 というのが出てきた。これは村上隆のカイカイキキに所属しているアーティスト青島千穂(http://www.kaikaikiki.co.jp/…

ジジェクによる金融危機に対するコメント(続報)

先日メモしておいた、ジジェクが書いた金融危機に対する記事についてid:mn_krさんがコメントされていました。三項になったのでこれもメモしておきます。原文を引用しながら、大意を和訳されているのでとても読みやすいです。 http://d.hatena.ne.jp/mn_kr/20…

東浩紀の講義録を久しぶりに読んだ

↓うp乙としか言いようのないGJ http://d.hatena.ne.jp/nitar/20081010 最近ようやく東浩紀自身も、かつて否定的に言及したり、「何書いたか自分でも覚えていない」的に言ってた初期の哲学的な仕事を再評価しているらしく、本人にとってはとりあえず「断絶」…

今夜の私は「SITE ZERO」の最新号刊行が嬉しくてしょうがない

さっきまでは気付かなかったのだけれど、どうも目次(および見開き試し読み)が更新されたらしく、カトリーヌ・マラブーの論考が掲載される模様。それもテーマが「ファンタスティックなもの」ということ。見開きをさっそく読んでみた。 その名にふさわしいフ…

SITE ZERO、今号はデザインが二種類あるらしい。

コレは何か、どっちも買えってことですか?どっちも欲しくなってしまうんだが。そして買えないんだが。「その悔しさを味わいやがれ、このショッピングアディクトめ!」ということなんだろうか。切ない、、、。切なすぎる。でもサイトを見る限りデザインは良…

追記

別に対して重要なことではないのだけれどとりあえずメモ。上記ドミニク・チェン氏の文章の前半には、東浩紀への目配せを読みとってしまった。これは私が東浩紀を意識しすぎているせいなのだろうか?冒頭の「2008年現在、日本語でテキストを書くということは」…

↑の文章を読み終えて

前半は見事としか言いようのない切れ味とスピード感だったけど、後半はずいぶんと乱暴すぎやしないかと思った。これも雑誌の中身を読めば変わるのだろうか。 私たちが自らの生成変化の歴史を捉えるための歌。それは現在、人間を生き延びる感情を生み出し、維…

SITE ZEROが久しぶりに更新した

それもあのドミニク・チェン氏による文章の掲載だ。*1 http://site-zero.net/_review/site_zerono2/ ネットコンテンツの常道にあるまじき更新頻度の低さ。それでも内容が毎度ハードに面白いので、今後もゆっくりでいいから更新を続けて欲しいです。 さっそく…

メモ

http://mikejohnduff.blogspot.com/2008/10/lacan-and-repetition-redone.html 「反復」について。プリンストン大のひとのブログ。

ジジェクが金融危機について「Don’t Just Do Something, Talk」

http://www.lrb.co.uk/v00/n03/zize01_.html

amazon×図書館

いまさらだけどこれは凄い。 http://s.tadafumisato.com/tosyoken/ 検索したい図書館を選んでGenerateすると、Firefoxにインストールできるjsファイルが生成される。これをインストールすると、amazonで書籍を検索したときに、併せて、自分で指定した図書館…

「サイバースペースは何故〜」東浩紀を再読2

昨日に引き続き「サイバースペースは何故〜」を読んでいる。昨日読んだ第一章で例に挙げられたギブスン的な一元論的なメディア体験に対して、今日読んだ第二章ではディック作品におけるメディア体験の「不気味さ」(フロイト)を議論し始める。 つまりフロイ…