死の臭いだけが頼り

ふと思ったんだけど、死の臭いと言われるものの正体は「寂しさ」なのではないだろうか。ただ、仮にそう言えたとしても、置き換え可能な寂しさと死の臭いがあるだけで、まったく等価だとは言えないだろうけど。ある他者の絶対的な不在、その不在そのものを漠然と知覚してしまうことが「死の臭い」であり「寂しさ」だと思う。肝はこの漠然とした知覚ということだろう。不在そのものは絶対的なものなのに、その絶対性を確認できない、あるいは合理的に認識できない場合。そもそも「不在」とは何なのだろうか?