現在は未来を孕み、未来は過去の中に読まれ、遠いものは近いものの中に表出されている。もし各々の精神の襞を悉く開けて見ることができるとすれば、各々の精神の中に宇宙の美を認めることができるだろう。
ライプニッツ「理性に基づく自然と恩寵の原理」第13章)

ドゥルーズにおける「襞」の概念が気になるので、まずライプニッツから、と思って入門書

ブックオフで100円で鬻がれていたので早速買ってみたのだけれど、この本は

はじめに
どしゃ降りにライプニッツ
ライプニッツについて何か書こうと思ったら、まず最初に頭に浮かんできたのは、ライプニッツではなく、パスカルの言葉だった。

人はひとりぼっちで死んでいく。

二十歳の頃、この言葉を知ったのだが、その頃は頭が単純だったので、なぜか深い心理に出会ったような気分になった。青春時代は、いつもどしゃ降りの中にいることだ。パスカルの言葉は、コンビニのビニール傘ぐらいに少しは役に立った。

で始まる本で、なるほど「ブックオフで100円」だなと思ったのだけれど、17世紀生まれという遠い昔の哲学者の本を紐解く気にならない私は面白半分で手に取ったわけだ。そしてこの本の著者山内志朗氏は20世紀半ば以降生まれにも関わらず、どうも私とは感覚がだいぶ違っていて、読んでいて、引用部分以外でほぼ毎ページ違和感を催す羽目に陥っている。私は山内氏にはなんの関心も湧かないのでその違和感はその都度無視して、トイレで毎日数ページずつ進めている。



襞―ライプニッツとバロック

襞―ライプニッツとバロック