『作業日誌2004-2007』を読んでいる。

今日は2005年まで読み終わった。あと2年。
知人がブログで「これくらいのことはみんなやってないのか」と言ってた。
確かにこれが賞を貰うのはなんか違うんじゃないのかと思うけど、それも含めて、現在の狂った状況を浮き彫りにしているとは思う。ちなみに賞うんぬんは別にして、好きなことだけやろうとして、いやいや仕事をして、好きな音楽や好きな映画に触れて泣いたり、石原慎太郎を呪うところとかは面白く読める。シュトックハウゼンとかMSBRの田野氏など、今は死んでしまった人との交流が綴られていて感涙を誘う。DMBQのチャイナさんが死んだことを知った日の日記の蜂の話も。
何故負わされているのか承服しかねる責務に疲れ果てながら、消費行動で自傷的に自分を慰めつつ、無理解に苦しみ、自分の表現の拙さに幻滅し続ける日々。それだけを書いているだけでも面白いけど、それは多分単なるブログの日記と大差ないものになるだろう。疲れても、買い物ばかりしても、自己嫌悪に苛まれても、何もしない不甲斐無い時を過ごしていても、色々な人と交流する束の間の楽しみもあれば、誰とも付き合わないでも見つけられる美しい出来事との出会いもある。中原昌也の作品における美しさというものは、正直なところ、それを直視しないのならば、ほんとにみんな死んでしまうといいと思うべきものなんじゃないだろうか。
あとなんとしてでもナボコフの『ロリータ』は読まねばならないとあらためて心に誓った。
ちなみに中原自身の出演作であり、また中原の友人であるところの青山真治監督作品『エリ・エリ・サバクタニ』が褒められていないのがちょっと嬉しい。私もあの作品は悪くはないと思うけど、そんなに良くもないと思っていたので*1
ちなみに月1で発表されているヘア・スタイリスティックスの出来は素晴らしい。ライブでは失敗することが多いようだけれど、いまのジャパノイズの最先端であり集大成であり、現在進行形としてちゃんと聴くべきだと思う。

中原昌也 作業日誌 2004→2007

中原昌也 作業日誌 2004→2007

*1:実は劇中の音楽が良くないと思っている。なんで中原自身の音楽を使わなかったのだろうか