お金を燃やすアート(続き)

昨日の続き。
お金を燃やすということで、ダダカンとKLFの話題を出したんだけど、その後、元ネタにした知人の日記のコメント欄でセルジュ・ゲンズブールもテレビの生放送で500フラン紙幣に火を点けていたことを知った。

最後に手で火を握り消すところとかカッコいい。
貨幣を燃やしたわけではないが、ダダカンよりも10年前、60年代初頭にフランスのイヴ・クラインが「非物質的絵画的感性領域の譲渡」というパフォーマンスを行った。画商から金箔を受け取り川に撒き画商は金箔と引き換えた領収書を燃やす、というもの。
さらに、アートではないが今世紀に入ってから、裏金を処分するために数百万円を燃やしたということで地方自治体の職員が逮捕された事件もあったらしい*1
http://www.blog-headline.jp/archive/2006/08/post_1897.html
イヴ・クラインは絵画・美術の「物質性」を批判的に対象化した結果、色彩(インターナショナルクラインブルー=IKB)の芸術に行きつく。ある意味でその道筋は確かに先鋭化ではあったのかも知れないし、成功もしたのかも知れないけれども、芸術を取り巻く資本主義的なシステムに対して批評的に機能しないという点では生ぬるいものだったとも言えるだろう。燃やされたものが、燃やしても問題にならない領収書であったというのが残念だ。しかし、川にばら撒かれる金箔は美しかったに違いない。