『アンチ・オイディプス』二十二日目

第三章 未開人、野蛮人、文明人
第八節 原国家

ところが、何という忘却がこの起源にふりかかることか。つまり潜在状態が国家そのものを襲い、ときにはそこでエクリチュールは消えてしまう。まず私有財産の、ついで商品生産の攻撃をうけて、国家は衰弱に陥る。

大地は、私有財産の圏域に、そして商品の圏域に入る。支配者がもはや国家装置と一体ではなく、この変容した装置に奉仕する別の規定要素であるかぎりにおいて、もろもろの階級が現れる。

国家についてはあまり直截的に関心が湧かない。でも資本主義の形成には恐らく重要な意味を持っているので、それなりに理解したいところ。この節を読むに至って、ようやく「専制君主制」の話が上巻で執拗に議論されていたことの意義が見え始めてきた気がする。