『アンチ・オイディプス』13日目続き
第二章 精神分析と家族主義 すなわち神聖家族
第七節 抑制と抑圧

欲望に近親相姦という歪んだ鏡を向けることによって(ほら、これがお前の欲していたものだろう)、ひとは欲望を恥じいらせ仰天させて、出口のない状況に追い込むのだ。欲望を難なく説得して、文明という高次の利益の名において、「自己自身」を放棄させるのである(もしみんながそんなことをしたなら、もしみんなが自分の母と結婚し、妹を自分のものにしたりしたら?もういかなる区別も、いかなる交換もありえないだろう……)。

それにしても社会的生産の観点からみると、こうした操作の利点は理解できるとしても、欲望的生産そのものの観点からみると、何がこの操作を可能にしているのか、よく理解できない。